授業訪問「東洋医学臨床論 あん摩マッサージ指圧編」
今月は、鍼灸マッサージ学科2年生の「東洋医学臨床論 あん摩マッサージ指圧編」を紹介します。
この授業は、科目名にもあるように、鍼灸マッサージ学科の学生を対象としたもので、実際に患者に対してあん摩マッサージ指圧の知識と技術を使い適切な治療ができるよう、治療方針や施術プランを立てるグループ学習を行なっています。
鍼灸マッサージ学科では3年生になると、あん摩マッサージ指圧の臨床実習が始まります。臨床実習では、協力患者の方や1年生に対して60分間の施術を行ないます。
そこでまずこの授業では、臨床実習での患者の訴えが多く、また有訴者率の上位2症状である「肩こり」「腰痛」に対応できるように症例に対して3人グループで治療方針や20分間の施術プランを組み立てます。
臨床実習だからといって特別なことを行なうのではなく、患者の訴え(ここでは症例内容)に対して今まで授業で修得した内容を基に施術プランを組み立てていきます。
有訴者率:人口 1000人あたりの病気やけがなどで自覚症状のある人(有訴者)の比率。
次にグループで立てたプランに従って実際にお互いに施術を行ないます。
グループでは、施術者役・患者役・観察者役と役割分担があり、施術者役は患者役に対して20分のあん摩マッサージ指圧施術を行ない、観察者役は施術者役の施術姿勢やベッドの高さが適切かどうかなどチェックを行ないます。
それぞれの役割を交代しながら3回繰り返します。この観察者役からのチェックがこの授業のポイントです。普段私たち施術者は、患者からの施術に対しての感想を伺うことはあっても、自分の施術姿勢など第3者からチェック(授業や臨床実習における教員からのものを除く)を受けることはありません。
実は患者との距離や位置、施術姿勢、ベッドの高さなど、これらが施術に与える影響は大きいのです。これらをお互いがチェックし合いフィードバックすることで、施術のしやすさや施術効果が変わってくるのです。
4月には最終学年となります。今まで授業で学んだ知識や技術を活かして臨床実習に挑んでいきましょう!