授業訪問「リラクゼーション方法論」
看護学科3年生では、医療の原点である「手当て」で、思いやりのある心と正確な技術を用いて「癒し」を提供できる看護師の育成を目指して、「リラクゼーション方法論」の授業を行っています!
授業の中では、手で“触れて”痛み・苦しみを緩和する「タクティールケア」を中心に学びます
スウェーデンで生まれたタクティールケアは、1960年代に未熟児ケアを担当していた看護師らによって始まりました。相手の背中や手足などに“手で触れる”・・・やさしく、やわらかく手で触れられることで、相手は身体的な痛みだけでなく、心の不安や苦しみも解消され、優しく穏やかな安心感を得ることができます。
最初は認知症高齢者のためのケアの1つとして広まったタクティールケアですが、現在では乳児から高齢者まで、さまざまな場で取り入れられ、広く実践されています
授業では学生同士ペアとなり、自分の手を用いて10分程度、背中や手・足に両手を添えて優しくケアします
最初にマッサージの基本手技を習得した学生達は、手の当て方や体の使い方、力加減などなど・・・コツをつかんで、気持ちの良いあたたかい手で相手に触れることができます。
手の温かさを感じることでホッと安心感に包まれ、お互いに癒し癒されています
授業の最終回では背中のタクティールケアの実技試験を行いました!
授業を担当する鍼灸マッサージ学科教員と看護学科教員が患者役となり評価します。
まず学生は受け手の肩に手を置き、「これらか始めます。」とあいさつをします
手のぬくもりを伝えるように、両手を揃えてゆっくりと手技を進めて行きます。楕円、放射線、長方形、らせん、ウェーブ、楕円・・・と描く形と順番、回数等も決まっています。
特に力は要らず、手の重さで十分、例えるなら・・・背中にアイロンをかける感じです
患者役の教員からは、
- 「学生の手の温かさに安らぎました。」
- 「背中から感じる温かさがなんとも心地よく、いつの間にか眠りの世界に・・・」
- 「各手技が上手にできていて、本当に気持ちがよかった。」
- 「学生から、寝てましたね!とにんまり・・・寝ないぞ!と心に決めて挑んだ患者役でしたが学生のタクティールケアの技術に脱帽!」
との感想がありました
学生は「リラクゼーション方法論」の授業で学んだ癒しの技術を夏から始まる臨地実習で実践し、「自分の“手”で患者様の身体や心を癒したい。」と話していました
タクティールケアは、すぐに実践できて、患者・利用者の喜ぶ顔を見ることができる、まさに“看護の原点”を振り返ることのできるケアです!
ぜひ実践してください