特別授業 「医療リンパドレナージの必要性と施術例」
平成12年度 鍼灸マッサージ学科卒業生の松尾ゆかりさん(松山市 まつお治療院メリッサ)と赤堀有子さん(今治市 赤堀鍼灸治療院)を講師にお迎えして「医療リンパドレナージの必要性と施術例」の授業が行われました!
おふたりは鍼灸マッサージ師で、ともに医療リンパドレナージ上級セラピストです!!
鍼灸マッサージの施術はもちろんのこと、長年にわたり、乳がん、子宮がん、前立腺がんなど・・・医師との連携のもと、がん手術後遺症のリンパ浮腫治療に携わっています
講義ではリンパとは何か?リンパ管の構造など基礎知識に始まり、リンパ浮腫の種類や発症原因、特徴などについて詳しく教えていただきました
実技では、右乳がん術後の右上肢続発性リンパ浮腫に対するリンパドレナージの施術例を見せてくださいました!
① 最初に、誘導する先のリンパ節周囲(左腋窩、右鼠径部)をやわらかく圧迫して刺激し、患肢からリンパを流し込む“スペース”を作ります。
② 空になったリンパ毛細管に向かって周囲のリンパを順序良く段階的にゆっくりと皮膚をずらすように誘導します。からだの真ん中やへその高さはリンパ毛細管のつながりが十分でないため、ドレナージの回数を増やします。
③ 患肢に貯留したリンパを中枢部分に誘導します。腕の付け根からドレナージを始め、切除されている腋窩を避け、腕の外側に新しいリンパの流れを作るようにゆっくりと順序よくドレナージを行います。
効果的に治療を行うためには
- ドレナージで誘導する先のリンパ節の領域を決める。
- 誘導先のリンパ節を流れ込みやすい状態にする。
- 患肢から誘導先のリンパ節にリンパの流れを作る。
- 患肢のドレナージ
また、学生同士の実技では、疾患がない場合の施術として、施術対象、リンパ液を流す方向、ドレナージの施術順位を決めてゆっくりと進めていきました
- 「リンパをつぶさないようにね」
- 「ゆっくりやさしく」
- 「筋肉にまで力を加える必要は全くありません」
先生方は、学生ひとりひとりを回って、実際に基本手技を行ってくれました!!
皮膚と手のひら全体を密着させ、さする、なでるのではなく、皮膚全体をずらすようにゆっくりと動かします。
静止クライス、ポンプ手技、ドレー手技、シェップ手技・・・ 。
見るのと、やるのでは大違い・・・難しい・・・
これまで習ってきたあん摩マッサージ指圧の手技とは全く異なりますが、手の当て方と圧、姿勢と手の動かし方・・・。
なるほど・・・
このような手技により、患肢に溜ったリンパをリンパ末端から吸収させやすくし、毛細リンパ管内のリンパを移動させてむくみを改善させることができるのですね!
実際に受けてみて、感じをつかむことができました
医療リンパドレナージセラピストになるには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格をベースに、更なる勉強が必要です
今回の授業では、基礎的な知識と治療内容を見せていただく貴重な機会となり、興味を持った学生も多かったです
松尾先生、赤堀先生、どうもありがとうございました!