特別授業「母乳育児支援について」
鍼灸マッサージ学科3年生を対象に「母乳育児支援について」の授業が行われました!
講師は看護学科教員で、総合周産期母子医療センターでの勤務経験を持つ、助産師の松田美穂先生です
この授業では、国家資格のあん摩マッサージ指圧師が「乳房マッサージ」を実施するにあたり、母乳に関する専門的知識を持ち、育児支援のさまざまについて良く理解した上で施術できるようになることを目標としています
初めに“母乳に関するトピックス”として、日本母乳バンク協会の設立や液体ミルクの国内販売が認められたこと、また、母乳栄養と小児期のアレルギー疾患発症との関係について興味深いお話がありました
「なぜ、母乳が良いか?」
栄養素が豊富、免疫力が高くなる、疾患に罹患しにくい、愛着形成、発達の促進、母体へのメリットなどがあるそうです。母乳育児と小児肥満や糖尿病との関係や母乳育児の成人疾患に及ぼす影響などを知り、母乳の免疫がいかにすばらしいかをあらためて知りました。また、母体へのメリットは身体だけでなく、心のメリットも大きいことがわかりました!
「母乳育児支援」
授乳にあたって大切な“ポジショニング”(母子がリラックスできる適切な姿勢)と“ラッチオン”(赤ちゃんが効果的におっぱいを含んでいること)3DCG映像や写真でポイントをわかりやすく教えていただきました。ポジショニングとラッチオンが上手くできるとトラブルも少なく、母乳で育てる期間も長くなるのでしょう。先生のお話では「WHOの推奨する母乳育児期間は2歳」ということです。おかあさんと赤ちゃんが「より健康に」という視点。長く母乳をあげているほどメリットがたくさんあるということがわかってきたそうです
「トラブルとケア」
おっぱいの緊満とはどのような状態か、また、それが続くとどうなるか、産後の時期に合わせたアドバイスとケアについて乳房モデルを使って見せていただきました。短時間冷やすとき、短時間温めて授乳するとき、基底部のマッサージ、乳管開通法など、指の当て方や押す方向まで具体的に習いました。 また“乳腺炎”のおもな原因と予防、診断の目安と症状、非感染性乳腺炎のケアについても最新のフローチャートを見ながら教えていただきました。乳腺炎は授乳中の女性がよく遭遇する疾患で予防が可能なので、あん摩マッサージ指圧師にもできることがあると思いました
「母乳に関わるホルモン」
生理学でも習った、母乳を作るホルモン“プロラクチン”と母乳を出すホルモン“オキシトシン”・・・試験にもよく出るところですが、今回は母乳育児支援の角度からあらためて勉強する機会となりました。これで絶対に忘れない・・・
新しい生活様式に即したケア(母乳は感染性物質として扱う)にも医療人として気をつけてまいりましょう
そして、松田先生のご経験からも、射乳反射を促すケアとして背部のマッサージが有効とのこと!
肩甲間部を上手にマッサージできるよう、技術も高めてまいりましょう
松田先生、貴重な授業をありがとうございました!