「頭痛に効く頭のツボと対処法~上手なマッサージ師とは~」
今回はリスナーさんからのリクエスト2つにお答えします。
Q1 頭頂部に近い頭痛に効くツボを教えてください。
頭痛にもいろいろなタイプがありますね。頭痛の中でも肩こりが原因となる「緊張型頭痛」では、ツボ押しの効果が期待できます。また、眼精疲労からくる「前頭部頭痛」や「こめかみの頭痛」にもツボ押しがオススメです。
緊張型頭痛って、何が「緊張」するのでしょう?
ずばり 「筋肉」です。緊張型頭痛の原因は「筋肉の緊張」ですが、わかりやすく言うと「肩こり」「首のコリ」にあたります。特徴としては頭部やコメカミのあたりがギューっと締め付けられるように痛くなる、ほぼ毎日のように午後から夕方にかけて痛くなる、肩こりや首のコリがひどい・・・などです。筋肉の緊張が起こると血行も悪くなり、本来なら血行によって排除されるはずの疲労物質が筋肉の中に蓄積し、さらに頭痛症状を悪化させることになります。
緊張型頭痛の原因としては、同じ姿勢での作業、眼精疲労、手先の細かい作業、寒さや冷え、枕の高さなどがあげられます。枕が高すぎると、首が過度に屈曲状態で、首の後ろや後頭部の筋肉が緊張します。睡眠時間は十分なのに朝起きたとき、頭が重くてスッキリしない人は枕が高すぎるのが原因かも知れません。
対処法
1.マッサージ&ストレッチ
肩甲骨の動きを意識しながら肩を大きく回す運動や、首を前後左右にゆっくり、深く、傾けるようなストレッチを行って、凝り固まった筋肉をほぐしましょう。
2.超オススメ!ホットタオルで温める
首や肩まわりの筋肉を蒸しタオルを使って温めることは、緊張型頭痛の改善につながります。蒸しタオルの作り方は、タオル(中厚手)を水で濡らして適度にしぼり、レンジでチン!簡単です。取り出した直後はとても熱いので適温にして首の後ろや肩に当ててくださいね。タオルは2つか、3つ折りにして3~5分当てます。湿度のある熱がじんわり浸透するのが気持ちいいですね。血流が滞っているところに蒸しタオルを当てると、熱の刺激で患部は緊張します。一度緊張させると今度は自然にゆるむ力が働くので、血管が拡張します。また、タオルが冷めていくと、今まで感じていた熱がなくなるので、それを補おうと体が自発的に血液を流そうとします。
緊張→ゆるむ 熱が冷める→自発的に温まろうとする
また、蒸しタオルが冷めていく過程も大切です。持続的に温めると慣れてしまって刺激にならないので、タオルはビニール袋などに入れずにそのままの状態で使用します。タオルが冷めて熱が奪われることで、自発的な血流を促します。蒸しタオルは、家でかんたんにできて効果を実感しやすいので、ぜひ気軽にお試しください。また自分だけでなく、家族のちょっとした不調のときのケアにも役立ちます。
3.ツボ
天柱(てんちゅう)
天柱は首の後ろで頭と頸の境目、ちょうど髪の生え際です。真ん中にくぼみがありますが、そのすぐ両脇に2本の筋肉(僧帽筋)があります。そのスジスジの外に取りましょう。押さえるとジーンとして、「そこそこ」という感覚があるところです。天柱はこわばった筋肉をほぐして血流を改善してくれます。そのため、頭痛、目の疲れ、肩こり、顔のむくみ、眠気など。多岐にわたって効果があります。
押し方のコツ
頭をボールに例えると、ボールをトスするように手を当てます。母指はツボに、四指は後頭部に添えて支えます。頭を45℃位(角度は微調整)後ろに倒すと、母指がツボにフィットして、気持ち良くジーンと感じるところがツボです。決まったら、1,2,3,4,5と5秒数え、ゆっくり指を離す。これを5回くらい行ってください。上手に押せると効果も上がります。頭痛が起こりやすい人は日頃から天柱を押してコリのない状態にしておくと良いです。
Q2 上手なマッサージ師の探し方について何かアドバイスをください。
何をもって「上手なマッサージ師」と評価するかは難しいですね。ニーズや気持ちの良さもそれぞれ異なります。
マッサージは初めてかかったときに素晴らしさの全てが実感できるわけではありません。何度か通ううちに、信頼関係ができ、施術を受ける側もリラックスできるようになります・・・。
服装や態度でも、患者さんを緊張させてはいけませんね。技術はもちろんですが、この「距離感」の取り方は経験的に学ぶものですから、ある程度の経験があり、良く話を聴いて、丁寧で的確な施術のできるマッサージ師が良いでしょう。
マッサージは「気持ちいい~力加減」で、身体の緊張を緩め、血流を良くし、あなたが持っているチカラ(自然治癒力)を引き出していきます。マッサージ直後だけでなく、翌日はもっと身体が楽になっているはずです。
翌日に“揉み返し”が出るようなマッサージは上手いとは言えません。身体や筋肉が硬いと、「身体がガチガチですね」、「ひどいコリですね~」、「かなりやばいですよ」と、知識のない人がいい加減なことを言って不安させることもあるようです。そして、必要以上の強い力で揉んで、翌日から強烈な揉み返しに悩まされる、ということもあります。ですから、上手なマッサージ師を選ぶことは大切ですね。
また、強く揉んだり、押してもらった方が良く効くと思っている人もいますね。どうでしょう? 改善されている実感はありますか? その時だけはスッキリするけど、すぐ戻る・・・。実は強すぎると、コリはどんどん頑固になります。さらなる不調を招くことにもなりかねません。上手なマッサージ師を探すには、まず自分自身の感覚を取り戻すことも必要です。特に強揉みが好きな人は感覚が鈍っていることが多く、上手かどうかの判断もできません。強もみが好きな人は、まず強もみをやめることです。いつもより弱めに施術してもらい、身体の感覚を取り戻しましょう。本当にコリがほぐれていく気持ち良さと翌日の身体の軽さを実感してみましょう。上手なマッサージで楽にしてくれたとしても、同じような生活習慣の繰り返しでは元に戻るのは必然です。自分自身でメンテナンスできるよう、導いてくれる人が上手なマッサージ師です。
最後に、
マッサージ師とは、国家資格のあん摩マッサージ指圧師です。治療を行うためには国家資格が必要。仕事として、マッサージができるのは医師とあん摩マッサージ指圧師のみです。マッサージが上手であっても、民間企業で経験があったとしても、無資格でマッサージの仕事を行うことは法で禁じられています。国の認定する学校で3年以上の教育を受け、身体についての充分な知識と技術を身に付けたマッサージ師の施術を受けてください。あらかじめ確認しておくと良いです。