「耳鳴りを改善!セルフケアのツボ」
リスナーさんからメッセージをいただきました。
「10月「癒しのツボ」の自律神経の乱れについて・・・熱心に聴きました。最近、ときどき耳鳴りがあります。苦痛とはまではいきませんが、いやだなぁと思っています。耳鳴りはツボでおさえられますか?」
メッセージ、ありがとうございます。
耳鳴りの原因の一つは、耳周辺の血行不良です。ツボを押すと、対応する部位の血行が改善されるため、耳鳴りが治まる可能性があります。今回は耳鳴りに効くツボと、すぐに取り入れられる日常生活のポイントをご紹介します。
耳周辺のツボ
①聴宮(ちょうきゅう)
聴宮は「耳鳴りの特効穴」で即効性を期待できます。聴宮を探す時には、人差し指を耳穴の前の軟骨にあてます。そのままの状態で、口を開けた時にくぼみができる場所がツボです。口をあけたまま、人差し指の腹でゆっくり3〜5回押してください。聴宮を刺激することで耳周辺の血行が改善されて、耳鳴りが緩和されやすくなります。
②耳門(じもん)
耳門(じもん)は自律神経のバランスを整える効果が期待できます。ストレス、疲労による耳鳴りに効果的です。耳門の場所は聴宮の指1本程度上で、押さえると脈打つところです。痛みを感じやすい部位なので、指の腹を使ってゆっくり優しく押しましょう。
③翳風(えいふう)
翳風は耳たぶのすぐ後ろのくぼみの部分(耳たぶで隠れて見えないところ)で、指先で強く押すとあごのあたりに響くような痛みを感じるところです。翳風を左右同時に押すことで、首周りの血行が改善されます。耳鳴りだけでなく、肩こりや頭痛にも効果のあるツボです。
④瘈脈(けいみゃく)
瘈脈は耳の後ろの付け根にあるツボです。まず、耳の後ろに指をあて、指を耳たぶに沿ってわずか下に動かし、骨の上でくぼんだ部分です。息を吐きながら、左右同時に痛くない程度の力で押してみましょう。瘈脈は更年期障害による、耳が詰まった感じを解消する効果も期待できます。
頸部のツボ
⑤完骨(かんこつ)
完骨は耳の後ろにあるツボで、顔周りの血行を良くして自律神経の不調を改善する効果があります。完骨の場所は耳の後ろにある出っ張った骨の斜めすぐ下にあるくぼんだ部分です。完骨を押す時には両手で頭全体を包むようにします。バレーボールをトスするような手の形です。ツボに親指を当てて、気持ちいいと感じる程度の強さで、ゆっくり押してください。頭の中心に押すようなイメージで行いましょう。
※ツボの位置は、次の画像を参考にしてください。上記のそれぞれのツボの番号に対応しています。
ツボを押すときには
- 爪を立てず、指の腹で押す。
- 加減は「気持ち良い」と感じる程度で。
- 耳のツボを押す時は指を上下に動かすのがポイント。(左右に動かさない。)
- 1カ所あたり5秒が目安。1セット5回が目安。
- ツボを押す時は息を吐きながら。
日常生活でのポイント
①休息をとる。
過度な疲労は、耳周りの筋肉を緊張させ血流を悪化させるため、耳鳴りを引き起こします。ストレスによって自律神経のバランスが乱れて耳鳴りが生じる可能性もあるため、十分な休息をとりましょう。
②体の緊張をほぐす。
体の緊張状態が続いていると、筋肉がこわばって血管が収縮し血流が悪化したり、自律神経が過敏になります。仕事で緊張する場面が多い方は、意識的に深呼吸やストレッチをして体の緊張をほぐしましょう。しっかり吐きながら深い呼吸を続けることで、副交感神経が優位になり、体だけでなく心の緊張もほぐすことができます。
③血行を良くする。
酸素や栄養は血流とともに運ばれます。耳への血流が悪くなると、音を感じ取る細胞への酸素や栄養の供給が不足してしまい、聴力が低下し、耳鳴りを生じやすくなります。軽い運動や長めの半身浴、マッサージも血のめぐりの改善につながるため、生活に取り入れてみましょう。
耳鳴りの治し方は、自分で対処できる方法から医療機関で治療する方法まで幅広く知られています。何が原因で耳鳴りが起きているのかを早い段階で突き止め、適切な治療方法を選択することが大切です。
十分な休息をとって耳鳴りの症状がなくなるのであれば、ストレス性の耳鳴りと考えられます。ただし、耳鳴りが1日中続く、めまいやふらつきといった耳鳴り以外の症状がある場合には、病気が原因の可能性もあるため、すみやかに病院を受診しましょう。