「むくみにオススメ!スプーンマッサージとツボ」
高知県のリスナーMさんからリクエストをいただきました。
「先日初めて○○マッサージに行ってきました。体は軽く、楽になりましたが、むくみを溜めこみやすい体質と言われ、気になっています。○○〇〇ティーを飲むよう勧められました。自分でできるマッサージ法やオススメのツボがあれば教えてほしいです。」
Mさんがどこで、どのようなマッサージを受けたのかだいたいわかります。Mさんの場合、おそらく運動不足や生活習慣、ストレスや冷えなどが原因と思われます。
今回は、むくみの仕組みとお家でできるスプーンを使ったマッサージ&ツボをご紹介しますのでぜひ実践してくださいね。
1日の終わりに足がパンパンになって腫れていると感じるとき、皮膚の下には過剰な水分が溜まっています。これが私たちの感じる「むくみ」の正体です。むくみは顔や手にも表れますが、特に表れやすい部位が足です。これは人が二足歩行で生活する時間が長く、身体の低い位置に足があるためです。起きている間は重力がかかるため、余分な水分が時間とともに足に溜まってくるのです。一時的なむくみの場合は夕方に足がむくんだとしても、朝起きたら元に戻っているでしょう。横になることで心臓と足が同じ高さになって重力の影響がなくなるため、溜まった水分が体の中心に戻ってくるので、朝には治っていることが多いのです。また何らかの原因で、この機能が十分に働かなくなると、病的な「むくみ」が発生します。これを「浮腫」と呼びます。
むくみにおいて大変重要な部位があります。「ふくらはぎ」です。そもそも体内では、身体の隅々まで酸素や栄養分を送り届けるために血液が循環しています。血液は心臓を起点に動脈を通って細胞へ行きわたり、静脈を通って心臓へ戻っていきます。このとき心臓よりも低い位置にある足へ流れた血液は、重力に逆らって心臓まで戻ってこなければなりませんから大変です。そこで活躍するのが、静脈内部についている弁とふくらはぎの筋肉です。静脈内の弁(静脈弁)は、血液の逆流を防ぎ、心臓へ向かって血液を戻すサポートをしています。加えてふくらはぎの筋肉が収縮し、静脈が圧迫され、ポンプのような作用が起きることで血液が心臓へ戻っていきます。
例えば、飛行機に乗ったとき、エコノミークラス症候群の予防のために足の運動やマッサージ(つま先を引き上げる、足指でグーパーする、つま先立ちしながら足を上下する、足首をまわす、軽くふくらはぎをマッサージする)を行いましょう~と促されます。ふくらはぎの動きで血流を促し、血栓ができるのを予防するためです。このふくらはぎの作用を「筋ポンプ作用」と呼びます。ふくらはぎが「第2の心臓」と呼ばれるのはこの作用があるからです。このように、身体には血液を上手に心臓へ戻す仕組みが備わっています。しかし、この機能が衰えたり損なわれたりして血液の流れが滞ると、足にむくみが発生します。静脈弁の損傷もむくみの原因になるそうです。
時間が経てば元に戻るむくみ
- 立ちっぱなしや座りっぱなしの時間が長い
- 運動不足
- 塩分・水分の摂り過ぎ
- アルコールの摂取
- 肥満
- 女性特有のむくみ
病気によるむくみ
- 片足だけ、または左右差がある
- 足の血管がボコボコと浮き出ている
- 朝になってもむくみがとれない
- 顔や手がむくんでいる
- むくみと同時に体重が増えた
- むくんだ時に、息切れ、尿が出ない、身体が疲れる等の症状がある
気になる症状がある方は早めに病院を受診してくださいね。
東洋医学では、過剰になり停滞した水分を「湿」と表現しています。また、水分や血液をめぐらせるエネルギーを「気」と表現しています。「むくみ」に対しては、湿をめぐらして取り除く、気を活性化させることを考えて治療していきます。また、冷えはめぐりの悪さを引き起こすため、冷えていれば温めることもあわせて行っていきます。
セルフマッサージ
ご自身の体をマッサージしたり、ストレッチすることは、血流がよくなり、停滞した「湿」を流すのに効果的です。特に「むくみ」を感じやすい足では、ふくらはぎを気持ちがよい程度の強さで揉みほぐしましょう。さらに膝の裏を揉んだり、足首を回したりすると、より効果的です。
足のむくみに効果的なツボ
- 太衝(たいしょう)
- 三陰交(さんいんこう)
- 委中(いちゅう)
- 湧泉(ゆうせん)
これらのツボを心地よい強さで1か所5秒程度押すことを、3セットほど行います。
スプーンでマッサージ
おうちではスプーンの背中(凸面)を使って、ふくらはぎや脛骨のすぐ後を、足首側から膝側に向かって軽くこすり上げるとよいでしょう。
ティースプーンを中指と親指ではさみ込むように軽く持ち、スプーンの背で軽く撫でさすります。スプーンは軽く持つのがポイント。なでさする時も、強く皮膚に押し付けないよう、あくまでも軽く、手全体で撫でるように動かしましょう。