「皮膚のかゆみや蕁麻疹を緩和してくれる肩と肘のツボ」
リスナーさんからリクエストです。
「癒しのツボのようこ先生に教えていただきたいです。この頃、寒暖差アレルギーか、食物アレルギーかわかりませんが、蕁麻疹がよく出ます。蕁麻疹に効くツボを教えてほしいです。たぶん、来月は花粉症も一緒になって、とても痒い日々を過ごしていると思うので、セルフケアのツボを教えていただけたら嬉しいです。」
いつも聴いていただきありがとうございます。
この時期、同じような悩みや症状をお持ちの方は多いと思いますね。
東洋医学では蕁麻疹や皮膚のかゆみ(アトピー性皮膚炎)の原因を、身体の奥に熱が溜まりやすくなり、その熱が皮膚上にこもってしまうことと考えています。皮膚に熱がこもってしまうことで、熱によって水分が蒸発し、乾燥して、カサカサになったり、赤くなったり、腫れたりして、かゆみが出てしまうのです。熱がこもるということは、西洋医学では炎症が起こるということです。
なぜ、蕁麻疹や皮膚のかゆみのある方は体に熱がこもってしまいやすいのでしょう?
ひとつは、体の熱がなかなか外に出ないことです。
東洋医学の考え方ですが、体の余分な熱は 排便、排尿、発汗、生理の出血で外に出します。また、睡眠で体の余分な熱を冷まします。ですので、この排便、排尿、発汗、生理、睡眠の状態が悪くなってしまうと、体の余分な熱がなかなか出ず、結果的に体に熱がこもってしまうのです。
もうひとつは、体に熱が溜まりやすくなっていることです。
普段、油っこいもの、辛いもの、味の濃いもの、甘い物などを過度に摂っていませんか?また、暴飲暴食や過食も体に余分な熱を溜め込んでしまいます。
ストレスが溜まった状態が長期にわたることもよくありませんね・・・。イライラした時に、カーッとなると顔や頭が熱くなりますね。これは皆さん経験があると思います。この様にストレスが長期にわたると体の中に熱がこもってしまいます。それから、心身ともに力が入って、抜けなくなっていませんか?知恵熱や心因性発熱という言葉があります。過度の緊張や興奮状態の前後に他の症状がなく、突然発熱してしまう熱です。このように、体、精神的にも、力が入って、緊張・興奮状態が慢性的に続くと、体に余分な熱が溜まってしまいます。そして、慢性的に疲れが溜まりすぎていることです。東洋医学では疲れや疲労は熱に変わる、と考えます。疲れが溜まりすぎた時に、風邪でもないのに高熱が出た、という経験はありませんか?この様に疲れや疲労が溜まりすぎると、体にどんどん熱がこもってしまうのです。
体の中の水分が不足しているとも考えられます。体の熱は、体の中の水分で冷まされます。炎症が起きているところは、むくみや水が溜まりやすいのですが、炎症を鎮めようと、水が集まってくるのです。体の中の水分が不足すると、熱を冷ますことができなくなってしまい、どんどん体に余分な熱がこもってしまいます。
対応としては
「胃腸にこもっている余分な熱を冷ます」
「ストレスによる体の熱を外に出す」
「心身の余分な力を抜く」
「体の奥に溜まっている疲れの熱を外に出す」
「体の中の水分の調節機能を整えて、熱を冷ます」
ですが、このようなときは「鍼灸」をオススメしたいです。
鍼灸はオーダーメイドの施術で、同じような症状がある患者さんでも、ひとりひとり施術内容は違います。また、鍼灸治療の経験があるかどうか、刺激に対しての感受性やライフスタイルもそれぞれ違うので、その中で、その方に合った施術を提案させていただきます。今回の皮膚のかゆみや蕁麻疹ですと、その原因を改善していき、余分な熱がこもらない、すなわち炎症が起きにくい体に変えていきます。皮膚のかゆみや蕁麻疹といっしょに、他の体の不調も緩和されます。
肩と肘のツボ 肩髃(けんぐう) と 曲池(きょくち) 経絡:手の陽明大腸経
肩髃は腕を真横水平に上げたとき、肩関節の前にできるくぼみに取ります。または、腕を「前にならえ」の状態で挙げたとき、肩の付け根にできる前のくぼみに取ります。
ここは母指、または示指と中指2本でじっくりと揉みましょう。肩髃は古来より、湿疹、かゆみ、吹き出物、便秘に効果のあるツボとしてよく使われます。また、肩にあるツボなので肩の痛みにも効果的です。
曲池は肘を曲げたときにできるシワの外側に取ります。例えば、左のツボを押すときは右の母指で押します。母指以外の四指は肘に添えるように置くと押しやすいです。かゆい時はツボを押しながら、ゆっくり深呼吸してみましょう。気持ちが落ち着いてくると、かゆみも鎮まってきます。
かゆい時には、やさしい温度のお灸も良いです。
ぜひ、鍼灸師にもご相談くださいね。