「冷えをやわらげるツボと対策法~冷え性にはセルフケアがとても大切~」
冬の寒さもいよいよ本番ですね。皆さん、冷え対策は万全ですか?
冷えは「ちょっとした不調」と思われがちですが、昔から「冷えは万病のもと」とよく言われています。最近では、がん、脳血管障害、心疾患など多くの病気の根源には冷えがあるのではないか・・・と注目されています。
「手足が冷たい」、「肩がこる」、「しもやけができやすい」、「おなかが冷えると下痢をしやすい」、「腰が冷えると腰痛や足にしびれを感じる」など、冷えの感じ方は人によってさまざまですが、冷え性には他の病気が潜んでいる場合もあります。手足だけでなく、全身がむくんでいたり、理由もなく極端に冷えを感じる場合、冷えがひどく全身の重だるさが回復しない場合、冷たいものに触れたあと、冷えが治らずに血の気がなくなってしまう・・・などには、医療機関の受診をおすすめします。
冷えの治療は非常に難しいとされています。西洋医学では冷えに該当する病名がなく、診断や検査法、治療法がないからです。東洋医学には冷えは病気の原因であるという考え方があります。東洋医学の考え方も取り入れながら、病気にならないよう、ご自分の健康管理をしてくださいね。今回はリクエストにもお応えして、冷えをやわらげてくれるツボやセルフケアをご紹介します。
冷えをやわらげるツボ
- ツボ①すべての冷えに使える「三陰交」
婦人科系の不調を緩和してくれることでも有名なツボで、冷えに対してもよい影響を与えてくれます。ツボの位置は、内くるぶしの一番高いところから指幅4本分上、骨の際にあります。その周辺で反応がないか探ってみてくださいね。 - ツボ②ストレスタイプの冷えに「太衝」
足の甲にあるツボです。足の親指と人差し指の間を足首に向かってなぞっていくと指が止まるところ(骨が交わるところ)にある、くぼみです。イライラを伴うようなストレス型の冷えを感じたら、太衝を押してみましょう。 - ツボ③お腹の冷えや下痢には「関元」
体の中心線上にあるツボで、へそから指幅4本分下がったところに位置しています。お腹が冷えやすい人や下痢をしやすい人、冷えと同時に足腰にだるさを感じる人には、ぜひ試してほしいツボです。骨盤内の冷えも緩和してくれるので、ツボの周辺をカイロで温めるのもよいでしょう。 - ツボ④冷えやすい「身柱」を温める
頭を前に倒してみると、首の付け根に骨のでっぱりがあるのがわかります。そこから背骨の突起3個分下にあるのが、身柱のツボです。風邪をひくときは、このあたりから冷えが入ってくるともいわれています。 - ツボ⑤「腎兪」は全身を温める
「腎兪」は全身を温めてくれるツボです。おへその高さで両手を「腰に手を当てて」のポーズをした時、親指が当たるところです。背骨から外側に2〜3センチのあたりにあるので、押すと気持ちがよいポイントを探してみましょう。
ツボ押しに加えて、冷えには「お灸」が強い味方になります。お灸は「熱い」というイメージもありますが、好みの熱さを選べ、手軽に使える台座灸というものがあります。ドラッグストアで購入できるので、興味がある方は試してみるのもよいでしょう。台座灸は、台座の上にモグサ(ヨモギの葉の裏にある繊毛を精製したもの)が乗っているお灸です。シール状の製品が多く、手軽に利用できます。心地よい程度の熱さのものや、煙が出ないもの、火を使わないものなど、たくさんの種類があるので、ぜひお気に入りを探してみてください。お灸は基本的には毎日行っても大丈夫です。
温めポイント
冷えを感じたら、どこを温めたら効果があるのですか?
病気のあるところは温度感覚が変わるため、温める部位は自分でわかることが多いです。膝が痛いなら膝を、手が冷えるなら手を温めるというように、部分的に温めます。肩がこりやすい人や、首が冷えると風邪をひきやすい人は、首の後ろが大事な温めポイントとなります。
また、冷えると内臓の働きが低下して免疫力も下がり、全身の活動に影響します。冷えから体調を崩しやすい人や、手足に冷えを感じやすい人は全身を温めましょう。四肢末端まで、全身に温かい血液を巡らせるには、へその下あたりを温めるのが効果的。体全体を温めることができます。
また、冷えは大人だけでなく、子どもにも見られます。「冬になるとしもやけができやすい」、「風邪をひきやすい」といった不調は、冷えの兆候です。子どもの頃から体を温めることを大切にして、冷やさないように心がけましょう。10代、20代は、男女ともにホルモンバランスが変わる時期です。特に10代の子どもを持つ、お父さん、お母さんは、子どもの体温に気をつけて健康管理をしてあげてくださいね。
簡単で長く続けやすいオススメの方法
- 温かい飲物を飲む。
実践している人もいらっしゃると思いますが、起床後に1杯の白湯を飲む。また、普段から温かい飲物を飲む。ポイントは「温度」です。冷え症対策には、少しぬるめの50℃くらいがオススメ。その理由は自律神経です。50℃くらいのお湯を飲むと、副交感神経を刺激して血管が拡張。血流が良くなり体温を維持できる効果が期待できるそうです。飲物は熱々すぎないように。 - 入浴法
入浴のポイントも「温度」です。オススメは38℃~40℃のお湯に30分ほど首までゆっくり浸かること。温かい飲みものと同様、高温のお風呂は交感神経を刺激し血管が収縮してしまう可能性があるそうです。冷え性の人は、夏の時期もしっかり湯船につかりましょう。 - マッサージをする。
ポイントは、冷えている手先、足先だけではなく、太い血管から血流を良くする事です。足の場合ですと、まず膝から太ももにかけて優しくさすり(軽擦法)上げ、次に足首から膝にかけて優しくさすり上げます。このようにすると、下半身に溜まりやすい血液を上半身に戻し、足先の血流を改善する効果が期待できます。 - 腹式呼吸をする。
深くゆっくりと呼吸を行うことで、副交感神経が活性化し、体が温まります。ふ~っとお腹をへこませて吐いたら、吐くのをストップしましょう。すると自然にお腹が膨らんで、肺に空気を取り入れることが可能に。5分繰り返すと体が少しポカポカしてくるはずです。
「冷えは毎年のことだから・・・」と放っておかず、症状が重くならないうちに対処することが大切です。体質だと諦めないで、食事も含めた生活習慣を見直して、冷え症予防&緩和を目指しましょう。