「唾液が持つすごい力~マッサージで唾液の分泌up!~」
皆さん、唾液にどんなイメージを持っていますか?
レモンとか、酸っぱいものを想像すると口の中にジワリとあふれてくるもの、食べ物を消化しやすくするもの、ごはんに甘みを出すもの、でも、ちょっと汚いもの?
普段あまり意識しない唾液ですが、実は「天然の万能薬」とも言われるほど健康に欠かせないものとなっています。
唾液の健康効果も注目されていますが、長年、唾液の研究に携わってきた槻木恵一先生によれば、「唾液の99%は水分ですが、残りの1%にはアミラーゼ(消化作用)、ムチン(粘膜保護作用)、IgA(抗菌作用)など、100種類以上の重要な成分が含まれていて、それらがさまざまな病気の予防や心身の健康に影響をおよぼすことが分かってきています」とのこと。唾液は口内環境だけではなく、全身の美容・健康に影響を及ぼすのですね。免疫力、腸内環境や美肌、メンタルにも・・・。唾液に秘められたパワーは想像以上です。
唾液は通常1日に1000~1500mlくらい分泌されています。もちろん、個人差も多く、季節や年齢、性別、身体状況、服用薬剤などによって変動します。これまで、長期間のマスク生活によるストレス、のどの渇きを感じにくいことによる水分の摂取不足、無意識の口呼吸、顔の筋肉を動かさない・・・などで、唾液の量は減っていた可能性はありますね。
唾液は、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3か所の唾液腺から分泌されます。分泌される唾液の性質も唾液腺によって異なるので、特徴や役割も違ってきます。
それでは、唾液UP!マッサージを始めましょう!
それぞれの唾液腺をマッサージで刺激すると、唾液が出やすくなります。耳下腺では、消化に必要なサラサラした唾液が作られます。舌下腺では免疫力の高いネバネバした唾液だけが作られます。顎下腺では、サラサラとネバネバの両方を作っています。口の中は、サラサラとネバネバ両方の唾液が同じ量あるのが理想的。食事前や緊張して唾液がネバネバした時などは耳下腺をマッサージするのがオススメです。
- 耳下腺マッサージ
耳たぶの前方、奥歯のあたりに、人さし指・中指・薬指を当て、円を描くようにゆっくり揉みます。
目安は約2分で10回程度。サラサラの唾液が出る。 - 舌下腺マッサージ
あごの真下で、やわらかいくぼみに左右の親指を当て10回やさしく押しましょう。
免疫力の高いネバネバ唾液が分泌される。 - 顎下腺マッサージ
耳の下から顎の下までを指(示指、中指、薬指を揃えて)で、10回やさしく押しましょう。
サラサラとネバネバの両方の唾液が出る。
- ツボ「口そう点」を押す
唾液の分泌を促す「口そう点」と呼ばれるツボ
手のひらで中指の付け根中心部にあります。
親指で5秒ほどグッと押し込んで刺激するだけ。
左右それぞれ10回ほど繰り返します。
唾液力は量だけでなく、質も大切。
唾液をしっかり出すための一番の秘訣は、「よく噛み、よく話し、よく笑う」ことです。唾液腺は使わないと段々と機能が弱まってしまいます。唾液腺の周りには顔の大きな筋肉がついているので、筋肉を動かして唾液腺に刺激を与えましょう。
もう一つ重要なことは「鼻呼吸」をすることです。お口ポカンの人は、唾液がいっぱい出たとしても、すぐに乾燥してしまい唾液の効果が十分に発揮できません。
量と質の両面から『唾液力』が上がれば、体も心も元気になります。