「からだと心の除湿 ツボで梅雨特有のだるさを解消!」
梅雨に増える不調
梅雨はジメジメして不快な気分を感じやすい季節ですね。この時期は、めまい・むくみ・頭痛・重だるい・・・などの症状に加え、食欲不振・胃もたれ・吐き気・下痢など・・・胃腸のトラブルも出やすく、皆さんからの相談も増える印象です。他にも、湿疹や喘息の持病が悪化したり、関節が痛むなど、お悩みの方もいらっしゃいます。精神的な面でも、疲れやすい・くよくよして落ち込みやすいなど・・・気力の低下が見られるケースもあります。
からだだけでなく、心も不安定に
梅雨時に不調が起こりやすい一番の原因は、「湿気」が増えることです。湿気が多いと、部屋の中もペタペタ、ジメジメしてきますね。これと同じようなことが体の中で起きてしまいます。湿度が増えると、汗を十分にかくことができないのでからだの巡りが悪くなります。東洋医学ではこのような不調を起こす湿度や湿気のことを「湿邪(しつじゃ)」と呼んでいますが、体内に取り込まれることで様々な不調を引き起こすのです。そして、「湿邪」の影響に特に弱いのが東洋医学でいう「脾(ひ)」です。脾は胃を中心とした消化吸収能力です。からだの栄養になる食べ物を食べても、しっかりと消化できないと意味がありませんね。私たちの心とからだは“食べたもの”で成り立っているので、東洋医学では消化吸収能力が、あるか、ないかを健康のバロメーターとして重要に考えているのです。
「湿」が「脾」に溜まるとその働きが弱くなってしまう。
消化吸収能力が低下してしまうと胃腸の不調が出やすくなる。
また、胃腸の不調から栄養が十分吸収できず、エネルギーが補給できない状態が続くことで今度は疲れが溜まりやすくなるのです・・・。
東洋医学では、「気血水(きけつすい)」がからだを支える3つの柱と考えますが、「湿」により体内の水の巡りが停滞してしまうと、連鎖するように、「気」や「血」も不安定になりがちです。加えて、この季節は気圧変化や室内外の寒暖差も激しいため、自律神経が乱れやすく、からだだけでなく、心の不調も抱えてしまいやすい時期なのです。
以上のことから、この梅雨時に、からだのだるさを解消するには次の3つが大切です。
①水の流れを良くして湿邪を溜めないようにする。
②胃・消化機能を元気にしておく。
③血流を良くする
そして、湿邪を取り除いてくれる足のツボです。
①復溜(ふくりゅう)
②足三里(あしさんり)
③血海(けっかい)
- からだの余分な水分を排出してくれるツボ「復溜」
内くるぶしとアキレス腱の間にくぼみがありますね。
このくぼみから、まっすぐ上に指幅3本分です。
- 胃の働きを良くし湿邪を改善してくれるツボの王様「足三里」
膝を軽く曲げます。膝蓋骨(膝のお皿)のすぐ下に太い靱帯があり、その両脇に2つのくぼみがあります。
2つのうち、外側のくぼみから指幅4本分下です。前脛骨筋という筋肉の上に取ります。
- 名前の通り、血の巡りを良くしてくれるツボ「血海」
子宮を温めて、生理痛なども和らげてくれます。
椅子に座ってみましょう。血海は太腿の内側にあります。
膝蓋骨(膝のお皿)から指幅3本分上で、内側広筋という筋肉の上に取ります。
いずれのツボも少しジーンとするくらいの圧で、1押しにつき5秒くらいかけて5セットくらい押すと効果的です。痛気持ちいい位の圧で行いましょう。
市販のお灸(ドラッグストアで購入できるシール付きの台座灸)も効果的です。
ぜひ続けてみてくださいね。