「親子スキンタッチ」
鍼灸の技術の一つに「小児鍼」というのがあります!
今回は小児鍼の技術を家庭にある道具を使って、お母さんやお父さんが気軽に行えるようにアレンジした、親子のためのツボ健康法「スキンタッチ」をご紹介します。
通常、鍼灸師は鍼と灸を用いて施術を行いますが、お母さんやお父さんに鍼や灸を用いて貰うわけにはいきません・・・。
そのため、鍼の代わりにスプーンや歯ブラシ、お灸の代わりにドライヤーを使用して行います
スプーンは皮膚を軽く擦ることで気の流れを良くします。
歯ブラシは頭にたまった熱を下すために使います。
ドライヤーは冷えを取り除いたり、水はけを良くしたりしてあげるために使用します。
また、スキンタッチではお子さんの体質を主に4つに分類しています
「肝タイプ」「脾タイプ」「肺タイプ」「腎タイプ」です!
▼肝タイプ やんちゃで、イライラ、眉間に青筋があり、いわゆる疳の虫の子です。
▼脾タイプ 胃腸が弱くお腹の調子を崩しやすく、口の回りが黄色かったりします。
▼肺タイプ 色白で風邪を引きやすく、また肩甲骨の間に産毛が、はえていたりします。
▼腎タイプ 怖がりでおねしょをしやすく、足や腰を触ると冷えていることが多い子です。
これらの体質に合わせて、スプーンや歯ブラシ、ドライヤーを使って軽く刺激してあげます。
すると、疳の虫の症状が軽減したり、風邪にかかりにくくなったり、お腹を壊しにくくなったりしていきます。
ここでポイントとなるのが、出来る限り軽く刺激をするということです!
お子さんの場合は、成長するためのエネルギーが強いため、わずかな刺激でも体調を整えようと身体が反応します。
その力を引き出してあげるのがスキンタッチです
スプーン
中指と親指でスプーンをはさみ込むように軽く持ち、スプーンの背で軽く撫でさすります。
使用部位 腹・胸・背中・手・足
ポイント!スプーンは強く持たない。軽く持つ。撫でさする時も、強く肌に押し付けない。あくまでも軽く、手全体で撫でる。
歯ブラシ
親指と人差し指で歯ブラシを軽くはさみ、揺らすような感じでたたく。
使用部位 頭・こめかみ
ポイント!強くたたかない。振動を利用して軽く。
ドライヤー
ドライヤーを手に持ち、空いている方の手で皮膚とドライヤーの温度を確かめながら、遠近を調節する。熱くなってきたら離す。
使用部位 腹・背中・足
ポイント!熱くなりすぎないように注意!やけどに気をつけて。
ツボの刺激効果で“こころ”と“からだ”を整えます!
人の体には300以上のツボがあります。ツボは1つ1つが脳や内臓につながっています。ツボを刺激することにより、脳や内臓の働きをよくし、精神的・肉体的発達を促進します。
スキンシップ&リラックス効果があります
スキンタッチの心地よいスキンシップ効果は、刺激した部分の血行を良くするだけでなく、親子両方の精神状態にも良い効果を与え、症状の安定や、改善に役立ちます。
毎日5分、親子で楽しく続けているうちに、病気に強い健康な子どもに育ちます
効 果
疳の虫・中耳炎・喘息・アトピー性皮膚炎・夜尿症・便秘・食欲不振など小児の慢性疾患全般に効果があるとされています。また、今は特に特定の疾患や、お困りのことがなくても、普段からご家庭でスキンタッチ法を続けていると、 お子さんの体調の変化にも気がつきやすくなるため、より健やかな成長のために、きっと役に立つことでしょう。
ただし、スキンタッチ法は健康法で、治療ではありませんので何か症状がある場合には、まずは医療機関を受診したり、小児はりに精通した鍼灸師の治療を受けることも必要です。特に、38℃以上の発熱・ひきつけ・骨折・脱水症などの際は、速やかに医療機関で診察を受けてください。
『かん虫』特有の症状 ~こんな時にはスキンタッチ~
目の白玉が青い 鼻の下が赤い 顔色が白い 表情がこわばっている 寝つきが悪い 眉間に青筋 頭の毛が立っている 食欲がない 目を開けて寝る