「五十肩(肩関節周囲炎)」
ある日突然肩が重く感じ、次第に痛みで上に挙げたり、後に回したりすることができなくなってしまう五十肩。夜も痛みで目が覚めたり、服の着脱や洗髪、カバンを持つなど、日常生活動作も痛みのために制限がでてしまうなど、その影響は深刻です
今回はそんな五十肩を東洋医学的な観点から捉え、症状の改善に有効なツボについて説明します!
東洋医学では、身体に起こる変調の原因を
①感情が原因で発生する内因、
②気候が原因で発生する外因、
③そのどちらとも分類できないものを不内外因
と呼びます。
この不内外因にはなんらか運動器の損傷による「外傷」も含まれ、肩関節周囲炎はこちらに分類されると考えられます。
東洋医学において外傷は身体のなかに瘀血(おけつ)を発生させる原因とされ、外傷の後に運動器のみならず内臓腑に対し大きな病変を引き起こすと言われています。
こうしたことから、肩関節周囲炎では肩周囲の関節包や滑液包に外傷が発生したことにより血(けつ)の流れが滞り瘀血が肩周囲に発生している状態と考えることができます
肩甲骨周囲も効果的
血の流れを調整する働きを持つ膈兪
こうした症状には全身の血が集まると考えられている膈兪(かくゆ)に対しマッサージを行うと、血の流れがスムーズになると言われています。隔兪は肩甲骨下端の水平線で、背骨の真ん中から(第七胸椎棘突起)の指2本分外に位置しています。
棘下筋のなかに位置する天宗
肩甲骨周囲の筋に存在するツボに直接マッサージを行うことも有効と考えられます。肩甲骨のほぼ中央に位置する天宗(てんそう)は肩関節を取り巻く腱板を構成する筋のひとつである棘下筋の中にあり、肩の内外旋に大きく関わっています。
小円筋のなかにある肩貞肩貞
(けんてい)は脇の下から後側に親指先一つ分上ったところにあるツボですが、小円筋・大円筋のなかにあるため、手を上に上げる動きを改善する効果が期待できます。
夜間痛に効果的な中府
身体の前面では、鎖骨外側に位置する中府(ちゅうふ)が夜間痛の軽減などに効果的であると考えられます。
肩に痛みを感じた場合は様々な原因が考えられますので、必ず医療機関の診察を受けるようにしてください!!
もし肩関節周囲炎であると診察されたら、医師やリハビリテーション専門職の方と相談し、ご自宅などでツボも利用されてみてはいかがでしょうか
また、今回ご紹介したツボは肩こりなどにも有効であると考えられます!
ぜひお試しください