「東洋医学から夏バテを考える」
2014年7月
東洋医学の世界観では“気候の変化が病をつくる”という考え方があります。気候の変化は「風、暑、湿、燥、火」に分類され、どれも力が強すぎると「邪」となって身体に悪影響をおよぼします。日本の高温多湿な夏は、暑邪と湿邪が身体に侵入しやすくなることが考えられます。
暑邪は身体に侵入すると、体温が高くなり、汗が大量に出て喉が渇きます。こうなると、身体の各器官に潤いを与える津液(しんえき)が不足しますが、同時に身体の生命活動を支える気も不足してしまいます。そのため、肌の乾燥や関節の動き難さ、疲れやすさ、息切れなどを強く感じるようになります
湿邪は水の性質があるため、粘り気が強いと考えられ、津液の流れが滞るため、便の排泄が悪くなる、むくみや身体の重だるさなどを感じるようになると考えられます。このうえ、さらに過度の冷房による寒邪が身体に侵入してしまう可能性があるのが現代の夏です
寒邪は皮膚や呼吸器、内臓に侵入するので手足の冷え、咳や喉の痛み、下痢などを引き起こします
これらをまとめて考えてみると、
暑邪の影響で津液が不足し、その不足した津液が湿邪の影響で粘り気を持ち滞り、身体を守る気の作用が低下する、さらにその弱った身体に冷房による寒邪が侵入する・・・
というのが東洋医学的な視点でみる夏バテだといえるでしょう。これらの暑邪・湿邪・寒邪が身体におよぼす影響を考えてみると、夏バテの症状と共通点が多いことがわかります
夏バテに効果的なツボ
気海(きかい)
体の真ん中で、へその下指2本分のところ。
足三里(あしさんり)
膝を曲げると、膝のお皿すぐ下(内外)にくぼみができます。外側のくぼみからまっすぐ下に指幅4本分のところ。
お灸がオススメです