「大人の疲れ養生法」
高松市40代の女性リスナーさんからのメールです
「鏡の中の自分を見ている時、なんだか今までの自分と少し違う・・・老けたなぁ、という印象です肌にハリがなくなって、シミやシワ、白髪が増えて、容姿の衰えを感じています。それに若いころのように疲れがとれなくなりました・・・スポーツジムに行っても、疲れをとるどころか、余計に疲れを溜め込んでいる私です。年だと、わかってはいるのですが、何か自分でできることやおすすめのツボがあれば教えてください!」
私もまったく同感ですよ、わかります~
(仁多田アナウンサー)
年齢に応じて、体のあちこちで感じる“曲がり角”白髪が増えたり、昔はすんなりこなせていた運動が息切れするようになったり、眠りがなんだか浅くなったりと、暮らしのいろいろな場面で“曲がり角”を感じること・・・ありますね。でも、体が変化するのはごく当たり前のことなのです!
東洋医学の教科書で約2000年前の文献『黄帝内経』には、「女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れる」という記述があります。こうした変化が起こる年齢を“節目年齢”と呼び、カラダに曲がり角の訪れるタイミングと捉えています。
「7の倍数・8の倍数」理論では、女性の「35歳」、男性の「40歳」が“容姿の曲がり角”、「50歳」が“体力の曲がり角”、「60歳」が“睡眠の曲がり角”とあります。もちろん、この曲がり角の曲がり方には個人差があって、その差は肌や髪、睡眠を含めた日々の過ごし方など、要因は多岐におよびます。
例えば、女性は28歳をピークに徐々に「エネルギー(気)」が減少していきます。そのため、若いころと同じような疲労ケアを実践していても、疲労を解消するどころか、疲労を溜め込んでいる状態になることもあります・・・若いころのように、焼き肉を食べてパワーをつけようとしても、反対に胃もたれを起こして元気がなくなったり・・・、しっかり睡眠をとっているにも関わらず、目覚めたときに疲労感があったり・・・。一般的に疲れが取れるといわれる疲労ケアも、40歳を過ぎてからはすべてが通用するとは限りません!
大人は大人の疲れケアを
加齢に伴う体の変化は人それぞれなので、疲れの溜まり方やその取り方も異なります。例えばエネルギーが不足している状態で、体を鍛えるといった「攻め」のケアを試みても、逆にエネルギーを消耗するだけで、疲れを溜め込む原因になります。 一方でエネルギーの量は十分あっても、エネルギーの巡りが悪い状態で、家でゴロゴロといった、体をいたわる「守り」のケアをしても、エネルギーの巡りがさらに滞るだけで、疲労回復につながらないこともあります。
大切なのは守りと攻めのバランス
そのため、体質にあわせて体の機能をいたわる「守り」と、ほどよく鍛える「攻め」を意識した疲労ケアが重要です!40歳以降の大人の疲れには、体の変化を把握し、疲れの原因にあわせた「守り」と「攻め」の養生で、溜まった疲れをしっかりリセットしていきましょう。
加齢により胃腸がお疲れのタイプ
東洋医学では、胃腸は日々のエネルギー(気)をつくり出すところと考えられていて、40歳を過ぎ、加齢とともに胃腸の機能が弱くなると、エネルギーが不足したり、良質な筋肉がつくれなくなったりするため、疲れやすく、疲れが抜けにくくなると言われています。そのため、このタイプの人は、胃腸の負担を軽減する「守り」の養生を中心に胃腸をいたわる生活を心がけましょう。また筋肉の衰えをケアする「攻め」の養生も取り入れましょう。「胃腸をいたわる守り重視の養生を」
体の巡りが滞っているタイプ
このタイプの人は血液やリンパ液の流れが滞っているため、栄養が体全体に行き届いていない状態です。血行不良や浮腫によって体が冷えやすくなり、冷えるとさらにむくみやすくなるといった悪循環もみられやすくなります。そのため、全身をこまめに動かし、血行やリンパの流れを促進する「攻め」の養生がおすすめです。筋トレを取り入れた運動をして筋肉量を落とさないように心がけることが大切です。「体の巡りを良くする攻めの養生を」
自律神経が乱れているタイプ
このタイプの人は、自律神経のバランスの乱れが原因でONとOFFのメリハリができていないことで疲れている状態です。特に40歳以降の更年期世代の女性は女性ホルモンの影響で自律神経の働きがアンバランスの状態になりやすいので要注意です。毎日の生活の中で、各自の状況に合わせて、リラックスモードに誘う「守り」と「活動モードに導く「攻め」の養生をバランスよく実施しましょう。「自律神経を整える攻めと守りの養生を」
おすすめセルフケア
大人の疲れにペットボトル温灸
・準備するもの
- ホットドリンク用のペットボトル350mlのもの(キャップがオレンジ色)【※アルミ缶やスチール缶は使用できません。】
- 水 100ml
- 沸騰直前の湯 200ml
・作り方
沸騰直前のお湯に水を足し、60~70℃の温度にします。だいたいホットドリンクとして売られている位の温度、手で持てるのが目安です。お灸の効果としては50℃程度でOKです。
・ツボへの当て方
ペットボトルは皮膚、ツボに直接当てます。熱いかなっと思ったら離す。これを5回繰り返します。1回の刺激に3~5回を目安に行ってください。また、肩や背中、腰など広い部分にも使えます。Tシャツなど、木綿の薄い衣服の上にペットボトルを置いたり、ゆっくり転がしたりします。胃腸がつかれているときにはお腹に置いてみましょう、 冷えている部分は特に気持ち良く感じます!
ツボの位置や取り方は「癒しのツボ」バックナンバーを参考にしてくださいね